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    <title>南方熊楠の日記ブログ</title>
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    <description>南方熊楠の日記の口語訳</description>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その18</title>
    <description>　また佐々木忠次郎博士は昨年10月の『読売新聞』に投書し、欧米には村落ごとに高塔があって、その地の目標となる、わが邦の大字ごとにある神林は欧米の高塔と等しくその村落の目標となる、と言った。

　漁夫など無学な者は海図などを見ても分からず、不断山頂の木また...</description>
<content:encoded><![CDATA[
　また佐々木忠次郎博士は昨年10月の『読売新聞』に投書し、欧米には村落ごとに高塔があって、その地の目標となる、わが邦の大字ごとにある神林は欧米の高塔と等しくその村落の目標となる、と言った。<br />
<br />
　漁夫など無学な者は海図などを見ても分からず、不断山頂の木また神社の森だけを目標として航海する。洪水または船が難破した際に神林を目的に泳いで助かり、洪水や津波の後に神林を標準として他処の境界を定める例は多い。<br />
<br />
　摂州三島郡、また泉州一円は合祀濫伐のため神林全滅し、砲兵の演習に照準を失い、兵士は休息と露営に事を欠き、止むを得ず田畑また砂浜でするため、日射病の患者が急に多くなった、と聞く。はなはだしい場合は、合祀伐木のため飲料水が濁り、また涸れ尽きた村落がある。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-05-22T19:33:57+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
    <dc:rights>南方熊楠＆てつ</dc:rights>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その17</title>
    <description>　第六
　神社合祀は土地の治安と利益に大害がある。

　むかし孔子に子貢が尋ねたことには、殷の法に灰を町に棄てた者を足切りの刑に処せるのは苛酷すぎるのではないか、と。孔子が答えて言うには、決して苛酷ではない、灰を町に棄てれば風が吹く度に衣服を汚し、人々...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<strong>　第六<br />
　神社合祀は土地の治安と利益に大害がある。</strong><br />
<br />
　むかし孔子に子貢が尋ねたことには、殷の法に灰を町に棄てた者を足切りの刑に処せるのは苛酷すぎるのではないか、と。孔子が答えて言うには、決して苛酷ではない、灰を町に棄てれば風が吹く度に衣服を汚し、人々は不快を懐く、自然に喧嘩が多くなり大事を惹き起こすだろう、故に一人を刑して万人が慎むための法である、と。<br />
<br />
　西洋諸国が、土一升に金一升を惜しまず専心して公園を設けるのも、人々に不快の念を懐かさせず、民心を和らげ世を安んじようとするのである。わが邦は幸いに昔から大字ごとに神社があり仏閣があって人民の労働を慰め、信仰の念を高めると同時に、一挙して和楽慰安の所を与えつつ、また地震、火難等の折に臨んでは避難の地を準備したのである。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-05-18T20:48:18+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
    <dc:rights>南方熊楠＆てつ</dc:rights>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その16</title>
    <description>　第五
　神社合祀は愛国心をおびただしく損ずる。

　愛郷心は愛国心の基である、とドイツの詩聖は言った。

　例を挙げると、紀州地方より海外に出稼ぐ者が多いが、つねに国元へ送金して、まずその一部分を自分の産土神に献じ、また出稼ぎ地方の方物異産を奉り、故...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<strong>　第五<br />
　神社合祀は愛国心をおびただしく損ずる。</strong><br />
<br />
　愛郷心は愛国心の基である、とドイツの詩聖は言った。<br />
<br />
　例を挙げると、紀州地方より海外に出稼ぐ者が多いが、つねに国元へ送金して、まずその一部分を自分の産土神に献じ、また出稼ぎ地方の方物異産を奉り、故郷を慕う意を表す。<br />
<br />
　西牟婁郡朝来（あっそ）村は、従来由緒もっとも古き立派な社が三つあったが、例の5000円の基本金に恐れてことごとく伐林し、只今路傍に憩うことができる樹林は皆無となった。<br />
<br />
　その諸神体を、わずかに残った最劣等の神社に抛り込み、全村無神のありさまで祭祀も三年来中止している。そのため、その村から他処へ奉公に出る若者らは、ときおり自村に帰っても面白味がないのでといって長い間、帰省しない。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-05-05T11:26:29+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
    <dc:rights>南方熊楠＆てつ</dc:rights>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その15</title>
    <description>　神社の社の字、支那では古く二十五家を一社とし、樹を植えて神を祭る。『白虎通』に、神社に樹があるのは何のためか、尊んでこれを見て民人に望んでこれを敬させる、これに植えるのにその地に産する木をもってする、とある由。

　大和の三輪明神をはじめ熊野辺には、...</description>
<content:encoded><![CDATA[
　神社の社の字、支那では古く二十五家を一社とし、樹を植えて神を祭る。『白虎通』に、神社に樹があるのは何のためか、尊んでこれを見て民人に望んでこれを敬させる、これに植えるのにその地に産する木をもってする、とある由。<br />
<br />
　大和の三輪明神をはじめ熊野辺には、古来老樹大木だけがあって社殿のない古社が多かった。これが上古の正式である。『万葉集』には、社の字をモリと読んでいる。後世、社木の二字を合わせて木ヘンに土（杜字）を、神林すなわち森とした。とにかく神森あっての神社である。<br />
<br />
　昨今3000円やそこらの金を無理に算段して神社の設備が大いに挙がると称する諸社を見ると、すでに神林のうっそうとしたものがないため、古えを忍ぶだの神威を感ずるだのという気持ちが少しも起こらない。あたかも支那の料理屋の庭に異ならない。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-05-02T09:31:34+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その14</title>
    <description>　第四
　神社合祀は国民の慰安を奪い、人情を薄くし、風俗をおびただしく害する。

　『大阪毎日新聞』で見たが、床次（とこなみ）内務次官は神社を宗教外のものと断言し、そのうえ神社崇敬云々と言っているとのこと。しかしながら神を奉祀して神社といい、これを崇敬...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<strong>　第四<br />
　神社合祀は国民の慰安を奪い、人情を薄くし、風俗をおびただしく害する。</strong><br />
<br />
　『大阪毎日新聞』で見たが、床次（とこなみ）内務次官は神社を宗教外のものと断言し、そのうえ神社崇敬云々と言っているとのこと。しかしながら神を奉祀して神社といい、これを崇敬する以上は、神社は宗教内のものであることは明らかである。仏を祀る仏寺、キリストを拝する教会と何の違いがあろう。<br />
<br />
　憲法第二十八条は信仰の自由を公許されている。神道に比べて由緒がはるかに劣っている天理教、金光教すら存立を許している。神祇は、皇祖皇宗およびその連枝また末裔、もしくは一国に功勲のあった人から下りて一地方一村落に由緒功労のあった人々である。人民がこれを崇敬するはきわめて当然のことである。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-04-30T21:13:48+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その13</title>
    <description>　すべて神社の樹木は、もとより材用のために植え込み仕上げたのではないので、枝が下の方より張り、節多く、伐ったところが価格ははなはだ劣る。差し迫ったこともないのに、基本金を作ると称し、ことごとくこれを伐らさせるほどにますます下値となる。

　ゆえに神林を...</description>
<content:encoded><![CDATA[
　すべて神社の樹木は、もとより材用のために植え込み仕上げたのではないので、枝が下の方より張り、節多く、伐ったところが価格ははなはだ劣る。差し迫ったこともないのに、基本金を作ると称し、ことごとくこれを伐らさせるほどにますます下値となる。<br />
<br />
　ゆえに神林をことごとく伐ったところが何の足しにもならず、神社の破損は心さえ用うれば少しの修理で片付くものであるので、大破損を待って遠方より用材を買い来て修覆するよりは、これまでのように少破損あるごとにその神社の林中より幾分を伐ってただちにこれを修理すれば済むことである。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-04-29T11:37:52+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その12</title>
    <description>　和歌山県の神主の総取締りする人が新聞で公言したのは、神社は正殿、神庫、幣殿、拝殿、着到殿、舞殿、神餐殿、御饌殿、御炊殿、盛殿、斎館、祓殿、祝詞屋（のつとや）、直殿、宿直所、厩屋、権殿、遙拝所の十八建築がなければ設備完全と言ってはならないといって、どん...</description>
<content:encoded><![CDATA[
　和歌山県の神主の総取締りする人が新聞で公言したのは、神社は正殿、神庫、幣殿、拝殿、着到殿、舞殿、神餐殿、御饌殿、御炊殿、盛殿、斎館、祓殿、祝詞屋（のつとや）、直殿、宿直所、厩屋、権殿、遙拝所の十八建築がなければ設備完全と言ってはならないといって、どんなに神林が大いに茂り四辺神さびた神社を見ても、設備が足らないといってこれを滅却する。<br />
<br />
　今時このような設備の完備した神社が、官国幣社を除いてどこにあるだろうか。真に、世事に疎い学者が後世に井田（せいでん）を復そうとし、インドに渡った律僧がインドより支那に帰って雪中に裸で水で肛門を浄めるのに等しい愚説である。<br />
<br />
　神殿は常に破損し続けるものではない。用いようによっては地方に大利潤を生む金銭を、この不景気はなはだしい世にこのような何の急ぐ必要もない備えに永久に蓄積させるのは、世間財理の融通を遮り、はなはだしく不得策で、地方に必要の活金（いきがね）を地下に埋め投ずるのに同じである。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-04-26T20:04:29+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その11</title>
    <description>　第三
　合祀は地方を衰微せしむ。

　従来地方の諸神社は、社殿と社地また多くはこれに伴う神林があり、あるいは神田がある。別に基本財産というべき金がなくとも、氏子はみな必要な費用は支払い、社殿の改修、祭典の用意をし、何不足なく数百年を面白く経過して来た...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<strong>　第三<br />
　合祀は地方を衰微せしむ。</strong><br />
<br />
　従来地方の諸神社は、社殿と社地また多くはこれに伴う神林があり、あるいは神田がある。別に基本財産というべき金がなくとも、氏子はみな必要な費用は支払い、社殿の改修、祭典の用意をし、何不足なく数百年を面白く経過して来たのである。今この不景気連年絶えない時節に、何の急ぐ必要もないのに、大急ぎで基本財産とか神社の設備とか神職の増俸とかを強いるのは心得がたい。<br />
<br />
　あるいは大逆徒が出てから、役人が、神社を宏壮にし神職に威力を賦して思想界を取り締まらせようとして、合祀を一層励行するけれど、本県のように神武帝の御古社を滅却したり、新宮中の諸古社をことごとく公売しているのちに、その地より六人という最多数の大逆徒を出したのを見て、その本末の顛倒に呆れない者があろうか。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-04-24T16:04:03+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その10</title>
    <description>　第二
　神社合祀は民の和融を妨ぐ。

　例えば、日高郡御坊（ごぼう）町へ、前年その近傍の漁夫が命より貴ぶ蛭子社（えびすしゃ）を合併したため、漁夫が大いに怒り、一昨夏、祭日に他の大字民と市街戦を演じ、警吏などの力及ばず、ついに主魁９名の入監を見るに及び...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<strong>　第二<br />
　神社合祀は民の和融を妨ぐ。</strong><br />
<br />
　例えば、日高郡御坊（ごぼう）町へ、前年その近傍の漁夫が命より貴ぶ蛭子社（えびすしゃ）を合併したため、漁夫が大いに怒り、一昨夏、祭日に他の大字民と市街戦を演じ、警吏などの力及ばず、ついに主魁９名の入監を見るに及び、所の者はことごとく合祀の弊害に懲り果てた。<br />
<br />
　わが邦人は宗教信仰の念に乏しいと口癖に言うが、実際合祀を濫用して私利を計る官公吏や、不埒千万にも神社を潰して大悦びする神職は知らず、下層の民ことに漁夫らはひじょうに堅固な信心をもち、言わば兵士に信心家が多いがごとく、日夜、板一枚の命懸けの仕事する者どもゆえ、朝夕身の安全を蛭子命に祈り、漁に打ち立つときは獲物あるごとに必ずこれに拝詣しお礼参りし、海に人が落ち込んだときは必ずその人の罪を祓除（ふつじょ）し、不成功の度ごとに罪を懺悔して過ちを改め、尊奉が絶えないのだ。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-04-20T20:15:21+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その９</title>
    <description>　これより予は一般に現われた合祀の悪結果を、おおよそ分類して記そう。

　第一
　神社合祀で敬神思想を高めたとは、政府当局が地方官公吏の文書に騙されているのだ。

　電車鉄道の便利がなく、人力車すら多く通じない紀州鄙地の山岳重畳、平沙渺茫たる所にあって...</description>
<content:encoded><![CDATA[
　これより予は一般に現われた合祀の悪結果を、おおよそ分類して記そう。<br />
<br />
<strong>　第一<br />
　神社合祀で敬神思想を高めたとは、政府当局が地方官公吏の文書に騙されているのだ。<br />
</strong><br />
　電車鉄道の便利がなく、人力車すら多く通じない紀州鄙地の山岳重畳、平沙渺茫たる所にあっては、到底遠路の神社に詣でることはできない。故に古来最寄りの地点に神を勧請し、社を建て、産土神（うぶすながみ）として朝夕参り、1日と15日には、必ず村民みなみなが参り、もって神恩を感謝し、聖徳を仰ぐ。<br />
<br />
　『菅原伝授鑑』という戯曲三段目に、白太夫という百姓の老爺（ろうや）が70歳の祝いに、三人の息子の嫁が集い来て料理を調える間に、72文の賽銭と嫁に貰った３本の扇を持ち、 子供の将来を氏神へ頼んだり見せたりしようとして、いまだその社を知らない一人の息子の嫁を伴い参詣するところがある。<br />
<br />
　田舎には合祀前どの地にも、このような質朴で和気あいあいとした良風俗があった。平生は農耕や養蚕で多忙でも、祭日ごとに嫁も里へ帰って老父を見舞い、婆は三升樽を携えて孫を抱きに嫁いだ娘の在所へ行ったのだ。かの小さく窮窟な西洋の礼拝堂に貴族富豪だけが車を馳せて説教を聞きに行くのに無数の貧人は道端で黒パンを咬んで身の不運をかこっているのと天と地の違いである。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-04-19T19:51:36+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
    <dc:rights>南方熊楠＆てつ</dc:rights>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その８</title>
    <description>　また野中王子社趾には、いわゆる一方杉といって、目通り周囲１丈３尺（約3.9m）以上の大老杉が八本ある。そのうち両社１本ずつある周囲２丈５尺（約7.5m）の杉は、白井博士の説によると、じつに本邦無類の巨樹とのことである。

　またこれら大木の周囲にはコバンモチ...</description>
<content:encoded><![CDATA[
　また<a href="http://www.mikumano.net/meguri/tugizakura.html">野中王子社趾</a>には、いわゆる一方杉といって、目通り周囲１丈３尺（約3.9m）以上の大老杉が八本ある。そのうち両社１本ずつある周囲２丈５尺（約7.5m）の杉は、白井博士の説によると、じつに本邦無類の巨樹とのことである。<br />
<br />
　またこれら大木の周囲にはコバンモチというこの国希有の珍木の大樹がある。托生蘭（たくせいらん）、 石松類（なんかくらんるい）などに珍しい物が多い。年代や大きさからいっても、珍種の分布上から見ても、本邦の誇りとすべきところであるうえ、古の上皇や将軍、宰相が熊野詣の度ごとに歎賞され、旧藩主も一代に一度は必ずその下を通って神徳を老樹の高いのになぞらえて仰がれたるのだ。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-04-18T20:43:30+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その７</title>
    <description>　次に熊野第二の宮と呼ばれる高原王子は、八百歳という老大樟がある。その木を削って神体とす。この木を伐らせ、コミッションを得ようとする役人ら、毎度合祀を勧めたが、その地に豪傑がいて、思うには、政府はまことに合祀を行なおうとするならば、兵卒また警吏を派遣し...</description>
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　次に熊野第二の宮と呼ばれる<a href="http://www.mikumano.net/meguri/takahara.html">高原王子</a>は、八百歳という老大樟がある。その木を削って神体とす。この木を伐らせ、コミッションを得ようとする役人ら、毎度合祀を勧めたが、その地に豪傑がいて、思うには、政府はまことに合祀を行なおうとするならば、兵卒また警吏を派遣して一切人民の苦情を払い去り、一挙して片端から気に入らぬ神社を潰すことができる。しかしながら、迂遠千万にも毎々旅費日当を費やし官公吏を派遣し、その人々が、あるいは脅迫し、あるいは甘言して請願書に調印を求めることは怪しい。結局、合祠の強行は政府の本意ではあるまい、小役人が私利のためにするところであろうと思って、5000円の基本金を一人で受け合う。<br />
<br />
　そして、その金の催促に来るごとに、役人を近村の料理屋へ連れて行き乱酔させて、日程を尽きさせ、役人が慌てて去るということに毎度させた。そのうちに基本金が多くなくとも維持の見込み確かならば合祀に及ばないということになって、この社は残る。
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    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-04-17T09:25:02+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
    <dc:rights>南方熊楠＆てつ</dc:rights>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その６</title>
    <description>　また南富田（みなみとんだ）村の金刀比羅社（ことひらしゃ）は、いにしえ熊野の神がここに住んでいたが、海近くて波の音がやかましいといって本宮へ行った。熊野三景のひとつといわれ、眺望絶佳の丘の上に7ha余りの田畑山林がある。地震津波のとき、大きな働きをする地...</description>
<content:encoded><![CDATA[
　また南富田（みなみとんだ）村の<a href="http://www.mikumano.net/meguri/kotohira.html">金刀比羅社</a>（ことひらしゃ）は、いにしえ熊野の神がここに住んでいたが、海近くて波の音がやかましいといって<a href="http://www.mikumano.net/meguri/hongu.html">本宮</a>へ行った。熊野三景のひとつといわれ、眺望絶佳の丘の上に7ha余りの田畑山林がある。地震津波のとき、大きな働きをする地である。これを無理に維持困難と詐称して他の社へ合祀させたが、村民が承知せず、結党して郡衙に訴えること止まず、ついに昨年末県庁より復社を許可した。<br />
<br />
　おかしいのは合祀先の神社の神職が、神社は戻っても神体は還さないといって、おのれをその社の兼務をさせるための質に取っている。しかしながら真正の神体は合祀のとき先方へ渡さず隠してあったため、復社の一刹那すでに帰っていらっしゃった。燕石十襲（えんせきじっしゅう：？　燕石は燕山から出る石、玉<span style="font-size:small;">（ぎょく）</span>に似ているが玉でない無価値な石のことで、まがい物の意。燕石十襲では、まがいものを十代にわたって世襲する、無価値な物を価値のある物のように大切にするということでしょうか？）で、この神主の所行は笑ってしまう。この他にも合祀の際、偽の神体を渡し、真の神体を隠してある所が多いと聞く。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-04-16T19:12:39+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その５</title>
    <description>　ことに苦々しいのは、只今裁判進行中の那智山事件で、那智の神官尾崎といって、元は新宮で郡書記であった者が、新宮の有力家と申し合わせて事実のない16万円借用の証文を偽造し、一昨年末に民有に帰した那智山の元国有林を伐採し尽して3万円の私酬を得ようと謀り、強制...</description>
<content:encoded><![CDATA[
　ことに苦々しいのは、只今裁判進行中の那智山事件で、<a href="http://www.mikumano.net/meguri/nati.html">那智</a>の神官尾崎といって、元は新宮で郡書記であった者が、新宮の有力家と申し合わせて事実のない16万円借用の証文を偽造し、一昨年末に民有に帰した那智山の元国有林を伐採し尽して3万円の私酬を得ようと謀り、強制伐木執行に掛かる一刹那に検挙されたことで、このことがもし実行されていたならば<a href="http://www.mikumano.net/meguri/natitaki.html">那智の滝</a>は水源が全く涸れ尽したにちがいない。<br />
<br />
　この他に<a href="http://www.mikumano.net/nyumon/moude.html">熊野参詣</a>の街道にただ一つむかしの熊野の景色の一部分を留めている大瀬の国有林も、前年村民本宮に由緒ありと称する者に下げ戻された。2000ha余りの大樹林にて、その内に 拾い子谷（ひらいこだに）といって、熊野の植物の模範品が多く生息する長さ80町（1町は約109m）という幽谷あり。これも全くの偽造文書を証拠として山林を下げ戻されたが、只今大阪から和歌山県に渉り未曽有の大獄検挙中である。
]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-04-15T19:40:11+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
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    <title>「神社合祀に関する意見」口語訳その４</title>
    <description>　熊野は本宮、新宮、那智を三山と申す。歴代の行幸、御幸、伊勢の大廟よりはるかに多く、およそ14帝83回に及んだ。その本宮は、中世実に日本国現世の神都のごとく尊崇され、諸帝みな京都より往復二十日ばかり山また山を越えて、一歩三礼して御参拝した。

　後白河帝が...</description>
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　<a href="http://www.mikumano.net/nyumon/kumano.html">熊野</a>は<a href="http://www.mikumano.net/meguri/hongu.html">本宮</a>、<a href="http://www.mikumano.net/meguri/singu.html">新宮</a>、<a href="http://www.mikumano.net/meguri/nati.html">那智</a>を<a href="http://www.mikumano.net/nyumon/3zan.html">三山</a>と申す。歴代の行幸、御幸、伊勢の大廟よりはるかに多く、およそ14帝83回に及んだ。その本宮は、中世実に日本国現世の神都のごとく尊崇され、諸帝みな京都より往復二十日ばかり山また山を越えて、一歩三礼して御参拝した。<br />
<br />
　<a href="http://www.mikumano.net/setsuwa/gosira.html">後白河帝</a>が、脱位ののち本宮へ御幸32度めのとき御神前にて、<br />
<br />
　　『玉葉』　忘るなよ雲は都を隔つともなれて久しき三熊野の月<br />
<br />
　巫祝（みこ）に託して、神詠の御答えに、<br />
<br />
　　　　　　　暫くもいかが忘れん君を守（も）る心くもらぬ三熊野の月<br />

]]></content:encoded>
    <dc:subject>神社合祀に関する意見</dc:subject>
    <dc:date>2008-04-14T18:32:57+09:00</dc:date>
    <dc:creator>南方熊楠＆てつ</dc:creator>
    <dc:rights>南方熊楠＆てつ</dc:rights>
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